
【現場視点】申し送りをもっとスムーズに〜コミュニケーションロスをなくすための実践アイデア
2026年04月10日 17:17
医療現場では、申し送りのたびに「あの情報、伝わってなかった」「聞いたはずなのに漏れていた」といったことが起きがちです。特に夜勤明けのタイミングや、外来と病棟の連携が必要な場面では、コミュニケーションのズレが患者ケアに直結します。チーフや主任として「もっとうまくできるはず」と感じながらも、忙しい現場では抜本的な改善がなかなかできない——そんな悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
■ポイント1:「何を・誰に・いつまでに」を明確にする
申し送りがスムーズに行われない最大の原因の一つは、情報の粒度がバラバラなことです。あるスタッフは詳細すぎるほど話し、別のスタッフは「あとはカルテを見てください」で終わらせる。結果、受け取った側は重要な情報を取りこぼすリスクがあります。対策として有効なのが、申し送りのテンプレート化です。「患者の状態・変化・次のアクション・担当者」の4点セットを習慣づけるだけで、情報の漏れが格段に減ります。チーフや主任が率先してこの型を使うことで、チーム全体に定着しやすくなります。
■ポイント2:ホワイトボードやデジタルツールを活用した「見える化」
口頭だけの申し送りは、聞き逃しや記憶違いが起きやすいのが難点です。ホワイトボードへの記録や、看護師向けのチャットアプリを活用することで、情報が目に見える形で残ります。「今日の優先対応患者」や「申し送り必須事項」を一覧表示するだけで、チーム全体の認識が揃いやすくなります。高価なシステムを導入しなくても、ホワイトボード一枚から始められるシンプルな方法です。小規模クリニックでも今すぐ取り入れられます。
■ポイント3:申し送り後の「確認サイン」文化をつくる
情報を伝えた側は「言った」、受けた側は「聞いていない」というすれ違いは、どの現場でも起きます。これを防ぐには、申し送りを受けたスタッフが一言「確認しました」と返す習慣、またはサインや印をつける仕組みを導入することが効果的です。これは責任追及のためではなく、「ちゃんと届いた」という安心感を双方に与えるためのものです。最初は少し照れくさくても、繰り返すうちに自然な文化になります。このひと言が、チームの信頼関係を育てます。
■まとめ:明日からできる3つのアクション
申し送りの改善は、大きなシステム変更なしに始められます。まず明日から試せることは、①申し送りの「型」を決める、②記録に残す仕組みを一つ取り入れる、③確認サインの習慣をスタートする——この3点です。小さな変化が積み重なると、チーム全体のコミュニケーションが変わります。ぜひ今週の申し送りから、一つでも試してみてください。
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